叩くしつけは難易度が高く、人生の難易度も上げる
私が20代の頃に知り合った方で、子供に注意をする時にルールを決めている方がいました。
注意一回目:優しく諭す。
注意二回目:強い口調で伝える。
注意三回目:おしりを叩く。
例
注意一回目:静かにしようね。
注意二回目:静かにしないか!!
注意三回目:力強くおしりぺんぺん!
子供を叱る時に大切なのは、自分の感情に任せて叱るのではなく、あくまで冷静であることだそうです。
「頭は冷静に、本当は怒っていないけれど、相手のために必要に応じて怒ったふりをできるのが重要。」
「怒って一度決着がついたら、いつまでも怒らないこと。すぐに態度を元に戻す。」
と、言っていました。
子供を叩く時は、感情に任せて叩くのではなく、冷えた頭で、やむなくおしりぺんぺんですね。
自分の感情を自由自在に操るスキルが必要な叱り方ですね。
今は体罰は法律で禁止されています・・・。
私は感情のコントロールが上手ではないので、怒ったふりをしているうちに、本当に怒ってしまいそうです。
感情的になった状態で、叩いてしまったら、大変なことになりそう・・・。
感情的になると、力加減が難しくなるし、叱る軸が、愛よりも、怒りに傾くような気がするんですよね。
なぜ子供を感情に任せて叩いてはいけないのか?私の子供時代の経験を思い出しながら書いていきます。
感情に任せて叩くと何がいけないの?
叩かれたことしか印象に残らないからです。
なぜ叱られたのか?という肝心な部分は、記憶に残りません。
私だけですか?
叩かれた衝撃で記憶が飛んだとか?
叱られた理由が一番大切なのにね!
叩かれた理由を覚えているのは1度だけです。
高校生の時の1回。
確かに自分が悪いよな。
と思ったから、覚えています。
他は、幼い頃から何度か叩かれてきましたが、叩かれた理由は覚えていません。
- コブシのインパクトの瞬間の衝撃。
- 叩かれた痛みはどのくらいの期間続いたか。
- 怒って迫ってくるときの親の表情。
- 怒られている最中の恐怖心。
・・・なんで、親はあんなに怒っていたの?理由が思い出せません。
親からしても、子供のために、せっかくコブシを痛めても、叱っている理由が子供に伝わっていないようでは、悲しいですよね。
やられた側の子供からすると、
鬼気迫る親の様子と、痛みが衝撃的過ぎて、なぜ怒られていたかなんて、消し飛んでしまうのです。
子供を叩く動機は?
- 大切なルールを教えるためですか?
- 自分の怒りやストレスをぶつけるためですか?
子供に言いたいことが伝わるのか?叩く理由の根本が違うだけで、結果が180度変わってきます。
興奮状態では、言いたいことは伝わりづらいので、大切なルールを教えたいのならば、やはり、怒ったふりをマスターしなくてはなりません。
心は熱く、頭はクールに・・・。
どれだけの人がそのようなこと、できるのでしょうか。
いや、そんなん無理・・・。
私は、心が熱くなったら、すぐに頭まで血がのぼっちゃいます!
感情の赴くままに叩かれた子供の弊害
子供が苦労するようになります。
やるせない葛藤が、エネルギーとなり、
外側に向かう子供と、内側に向かう子供に分かれます。
手が出るタイプの子
エネルギーが外側に向かうタイプの子供です。
素直です。
子供の社会で、周りの子供に手をあげてしまいます。
- 感情表現が荒っぽくなる。
- すぐに手が出る。
- 不安症。
- 言葉が上手く出てこない時。
- 言っても分かってもらえなかった時。
- なんだかおもしろくない時。
自分の怒りをコントロールできなくて、辛いです。
叩いてはダメと言われても、何故だめなのかがわかりません。
そもそも言葉で伝えるって、どういうこと?!といった、感じです。
手を出せないタイプの子
エネルギーが内側に向かうタイプの子供です。
思慮深いです。
周りの子を叩く代わりに、自分を叩きます。
- 自分を責める。
- 自己表現が苦手になる。
- 影の残虐性を育てる。
叩くエネルギーが、自分に向かいます。
実際に自分を叩いたり、自分の心を痛めつけます。
「私は人に傷つけられても仕方のない人間。価値がないから。」
と思うようになります。
感情の赴くままに叩かれた子供の未来
しつけという字は、身が美しいと書いて躾です。
叩いて美しく鍛えられるのは刀匠が鍛える刃くらいなもの。
素人の私が叩いたら、元はどんなに素晴らしい素材でも、ぐにゃぐにゃの、台無しにしてしまいそうです・・・(泣)。
- 体が弱る。
- 心が弱る。
- 将来、親に同じことをする。
- 将来、自分の子供に同じことをする。
- 子供自身にたくさん乗り越えなくてはならない壁が誕生する。
- 様々な救いの力や、自力で、より強く逞しく成長する。
可能性であり、必ずではありません。
いずれにしても苦労をします。このような苦労は、できたら、させたくありませんよね。
さいごに
ただ生きているだけでも、楽ではない人生。
自分の手で、子供の人生の難易度を上げたくはありません。
私は怒っていると一人で勝手に盛り上がってしまうところがあるので、危ないから、叩くことはしていません。
子供に話しているのは、
「悲しくなったり、寂しくなったら、まずはママに抱き着いておいで。」
「そしたらママ、ぎゅって抱っこする。」
「その後に、お話ししようね。」
ハグは、万能です♪