『美輪明宏 愛のモヤモヤ相談室』まとめ
Eテレで、
美輪明宏さんが、
人生の相談に乗ってくれる番組があったのですが、
その内容が素敵だったので、
記事にしておくことにしました。
【相談1】職場の先輩社員からの嫌がらせ
女性
会社員
職場の先輩社員から嫌がらせを受けているのですが、
このコロナの状況に加え、
私は45歳。
転職するのも厳しくなり、
逃げるにも逃げられません。
どんな気持ちで働けば良いのかモヤモヤしています。
美輪明宏さんの言葉
会社に勤めているという意識をなくすことから始めて。
動物園に勤めている。
この地球上には、
いろんな生き物がいるんですよ。
ですからそのお局様は、
獰猛な動物が吠えている。
そうお思いになれば楽になります。
【相談2】役者を優先することよりも就職をすることについて
34歳女性
劇団員
新型コロナウイルスの影響で役者の仕事は0。
社会に求められていないことを痛感した。
これを機会に就職をした方が良いのか。
美輪明宏さんの言葉
芝居をやりながら、
有名になりたいとか食べていきたい。
どれだけの人間が、
そういう芸能志望の人がこの日本にいると思います?
何百何千何万人もいるんですよ。
もっと手堅く、
まずは賢く堅く考えて、
食べていく方法、
それから始めることですね。
自分で自分を養っていける方法を。
まず、それからですよ。
~ 相談者 ~
親を安心させるために婚活中です。
~ 美輪さん ~
結婚をなめちゃあかんぜよ。
愛はどこにあるの?愛はないんですよね?
まずあなた、
自分を愛していますか?
自分を愛せない人が、
他人を愛せるわけがないんですよ。
まず自分のいろいろなところを点数つけて、
これだけプラスがある。
これだけマイナスがある。
「ああ立派立派」と褒めてあげて、
自分を愛せるようになって、
それから他人ですよ。
まず自分を愛せる人間になっているかどうか。
いいところもたくさんあるんだし、
でないと、
自分がかわいそうすぎるでしょ?
だからお泣きになったの。
今気がついたでしょ。
自分がかわいそうだっていうことがね。
頑張れ!
【相談3】中学生の頃に親しい友人にした失礼な言葉を思い出し、心苦しい
45歳女性
コロナで仕事が在宅ワークになり、
往復3時間の通勤からも解放され
時間の余裕が生まれました。
すると中学生の頃親しい友人にしていた失礼な発言をなぜか思い出し、
気にかかるようになったのです。
思い出すたび心苦しいです。
美輪明宏さんの言葉
これは簡単。
電話一本掛ければいいんですもの。
「ごめんなさい」って言って。
「あの時、若いっていうのはバカだったもんだから」
若さというのはバカさともいうんですよ。
「バカなことをして、少し大人になって知恵がついたら、ほんとに申し訳ないことをしたと思ったから、電話しました」
「許してね。ごめんなさい。愛しているよ」って。
同性でも異性でもいいんですよ。
「愛してるよ」って言われて、
嫌がる人はいませんからね。
【相談4】変わった人が好きな自分の将来が心配
24歳女性
大学院生
今は彼氏はいません。
コロナ禍で人と出会うことの難しさを痛感。
好きになるのはクセの強い変わった人ばかり。
~ エピソード ~
彼氏が面白い写真を送ってくるのだが、
お母さんの写真を送ってくる。
それが、
お母さんが自分のパンツをかぶっている写真だった。
このまま自分のこういう変な人を好きになる趣味を持ち続けると、
男運なく人生終わってしまうんじゃないかなってモヤモヤしています。
美輪明宏さんの言葉
いいじゃないですか。
楽しいじゃないですか。
競争相手も少ないでしょうし。
そういう人を好きになる人も
あなたぐらいなものだから。
宝の山を、
一人で踏み荒らしているみたいなもんですよ。
モヤモヤがあるから、
恋愛っていうのは楽しいんでしょ?
モヤモヤのない恋愛なんて、
夢がないじゃないですか。
変な人が変な写真を送って、
変さを大いに楽しみましょう。
変な人万歳!って言っていればいいんですよ。
頑張ってください。
【相談5】中学生の娘が財布から黙ってお金を取っていく
中学一年生の娘が、
私の財布から黙ってお金を取っていきます。
ショックでした。
注意したらそれでやめてくれるのか、
分かってくれるのか。
自信がありません。
美輪明宏さんの言葉
一番いいのはね。
注意することですよね。
その注意の仕方が問題ですよ。
諭すことですね。
叱るっていうのは感情的になってカーッとなって、
「どうしたのよ!こんなこと!」って裏目に出るの。
まずね、
ちょっと家計簿を見せて、
「家賃がいくら、電気代がいくら、光熱費がいくら、お母さんが働いた分の収入がこれだけ」
「あなたが、お母さんのお金を遊びに持っていくけれどね。困るからそれだけはやめてちょうだいね。」
「必要なこと、何か買いたいものがあれば相談して。」
物は言い方なんです。
叱ると諭すは別ですよ。
逆にお母さんは尊敬されますよ。
【相談6】新型コロナウイルスの影響で学生生活が一変。どうやってこれからを楽しむか
20歳男性
理系大学生
新型コロナウイルスの影響で学生生活が一変。
部長をつとめる男声合唱団グリークラブの活動が休止に。
仲間と共に歌えなくなったことにモヤモヤを感じている。
仲間と関わる機会が失われていって、
これからどうやって学生生活を楽しめるかなとモヤモヤを抱えている。
美輪明宏さんの言葉
バランスなんですよね。
ひとり理学の勉強なんかしていると、
孤独なもんでしょ?
閉じこもるでしょ?
それを、
窓を開けてパーっと発散させるのが歌でしょ?
開閉のバランスが取れていたのが、
両方とも閉まっちゃったから、
そういう時は方向転換をして、
自分ひとりでできる作業を何か始めればいいんですよ。
すばらしい歌を歌っていらしたんでしょ?
納得するような歌を。
じゃあ自分が作る方にまわればいいじゃないですか。
作詞作曲。
山田耕作が作曲したとか、
北原白秋のすばらしい詩とか、
名曲がたくさんあるでしょ?
そういうのを自分でも作って、
グリークラブがまた再開した時に、
「みんなで歌ってくれ」って言って、
歌ってくれる。
そういう楽しみができるじゃありませんか。
自分の作品でね、
人が楽しんでくれるって楽しいですよ。
【相談7】夫と別居中。どうしたらいいか悩んでいる
30歳女性
看護師
夫と別居中。
娘を出産した後に、
初めての育児で不安だらけだったんですけど、
夫は仕事優先で家庭のこと子供のことを全て私に任せっきりだったことに対して、
不満がどんどん溜まっていって、
許せなくなってしまって、
週末だけ家族3人で会うというのを2年間続けています。
不安になるとたびたび夫と喧嘩になるんですけど、
感情的になってつい、
もう離婚しようとか口走ってしまうことがあって、
どうしたらいいかなって悩んでいるところです。
美輪明宏さんの言葉
子供を育てるのは、
本当に大変だと思いますよ。
私もね、
実の母は私が2歳の時に脳腫瘍で死んだんですね。
2度目の母も、
私が10歳の時に亡くなって、
その時に、
2度目の母が残した子供が3人いて、
小さい子なんか、
私が夜中でも泣かれると、
おんぶしたり、
抱っこしたり。
だからあなたのご苦労はわかります。
子供ってのは目が離せないでしょ?
どこで何をしているのかわからないんですものね。
~ 相談者 ~
コロナの影響で、
週末3人で会えない時期があって、
その時に娘から、
どうしてパパに会えないの?って言われたときに、
娘から夫を離してしまっていることに罪悪感があって、
このままの生活を続けていいのかってすごく悩みました。
一緒に暮らせるようになるには、
私がすぐ不安になったり、
ヒステリックになりやすかったりするので、
子供のことで、
こうなったらどうしようとか、
先のことに対して不安を抱きやすくて、
そういったことを話したときに、
軽くあしらわれちゃったり、
なんとかなるよと言われちゃったりすると、
かなり腹が立って。
~ 美輪さん ~
じゃあ
どう言って欲しいの?
一緒に泣いたりわめいたりしてほしいの?
~ 相談者 ~
そうだと困ります。
もっと不安になってしまう。
~ 美輪さん ~
もっと不安になるでしょ?
あなたの子供さんに対する愛はどうなの?
~ 相談者 ~
子供がいるから仕事を頑張れるし、
子供が健康で幸せになってほしいと毎日思っています。
~ 美輪さん ~
かわいいでしょうね。
ご主人はどうなの?
子供に対して?
~ 相談者 ~
週末来てくれた時は、
思いっきり子供と遊んでくれますし、
子どものこれやってほしいあれやってほしいも、
ちゃんと聞いてくれて、
怒鳴ったりもしないし、
諭し方もすごくうまいなって思います。
~ 美輪さん ~
じゃあ別れるのはやめなさいよ。
ほかにそういう人が、
あなたの子供さんにそういう事をしてくれる人が出てくると思います?
おかわりは?
いないでしょ?
ということは、
あなたもまだご主人のことを愛してるいるわね?
~ 相談者 ~
はい。
~ 美輪さん ~
じゃあ文句はないじゃないですか。
そのほかに何があるの?
欠点は。
~ 相談者 ~
仕事のことを熱心にしている分、
少しでもこちらに気持ちを向けてもらえたらなって。
~ 美輪さん ~
わがまま。
少しでも心配させないようにしようとかさ、
頑張ってくれているんだとか。
愛の深さが足りないんですよ。
あなたには。
~ 相談者 ~
今も、
ここにきている間、
夫が子供を見てくれてるんですけど。
~ 美輪さん ~
ありがたいじゃない。
まあ当たり前のことだけど。
~ 相談者 ~
ここに送り出してくれるときに、
僕は怒られてしまうんじゃないだろうかとか、
逆に自分の直さなきゃいけないことがあるんだったら聞きたいなんて言ってましたけど、
今お話を聞いて、
私自身が変わらなきゃって。
~ 美輪さん ~
あなたの今の涙はなに?
ご主人がかわいそうになってきたんでしょ?
~ 相談者 ~
色々求めすぎてるなっていうふうに思いました。
~ 美輪さん ~
大きな愛で包んでいるんですよ。
あなたを。
私がご主人だったら蹴飛ばしますよ。
とにかくね、
恋と愛とは違うんですよ。
例えば待ち合わせをしているとき、
恋の時には1時間待って、
2時間待って、
それでやっと相手が来たとき、
「何やってんだよ。人をバカにして。私もう帰るからね!」
怒って帰っちゃったり。
だけど愛に入ると、
今度は待たされている自分はとにかく、
「大丈夫かな?どこかで自転車で事故でも起こしてやしないかしら?」
自分のことは置いといて、
相手のことばかり心配している。
相手が遅れて来ても、
「ごめんごめん遅れちゃって」
「ううん、いいのよ。私も今来たばかりだから」
1時間待っても、そういう嘘をつける。
来てくれればそれでいい。
これが愛。
だから相手本意に全世界がまわるのね。
だからあなたの場合も愛しているより、
思いあたるでしょ?
恋していたんだなってことを。
だからね、
愛してるっていうには、
ちゃんと資格がいるんですよ。
魔法の言葉を教えましょうか?
何かいうたびに「ルンルン」って言うの。
最後は。
「ねえわたしのこと好き?ルンルン」
「ねえちょっとそれとってくれる?ルンルン」
怒るときも「何言ってるのよ!ルンルン」
ケンカにならないでしょ?
頑張れ!
ルンルン
~ 相談者 ~
ルンルン
さいごに
美輪さんが番組の最後にお話しされていました。
いろんなことがわかってしまったら、
おもしろくないですよ。
モヤモヤあってこその人生ですもの。
そうだよな~って、
気持ちが楽になりました。
モヤモヤを悪の様に思いすぎていたみたいです。
モヤモヤは、
あって普通。
水の世は
波のまにまに風のまに
ゆらりゆるりとまいりましょう
美輪明宏