答えはここにある。久能整君の名言が冴える!田村由美さんの漫画『ミステリと云う勿れ』
好きな漫画の一つに、
田村由美さんの『ミステリと云う勿れ』という漫画があります。
田村由美さんの漫画
- 1993年に平成4年度(第38回)小学館漫画賞を受賞した『BASARA』。
- 2007年に平成18年度(第52回)小学館漫画賞を受賞した『7SEEDS』。
『BASARA』も、『7SEEDS』も読みましたよ♪
少女漫画なのですがSF的要素あり、アクションあり、で、
一度読み始めたら、朝まで読み続けてしまいそうな面白さですよ。
田村由美さんが書いた、『ミステリと云う勿れ』という漫画の話をします。
ミステリ云うな。言ってますが、ミステリー要素満載なのですよ♪
主人公の紹介
主人公の久能整君は、一人暮らしの大学生の男の子です。
殺人事件の有力な容疑者として警察署に連れていかれるところから、話がスタートします。
久能君は、真犯人ではありません。
ところが!
証人やら、物的証拠が次々と出てきて、真っ黒黒の真犯人に仕立て上げられていってしまうのです。
物語の見どころ
なんと、この大学生の久能整君、
取調室で刑事さん達と会話をしながら、真犯人を導き出していってしまいます。
終始取調室のみで話が進んでいきます。
久能君の独特な言い回しと切り口で、刑事さんたちが引き込まれ、ストーリーが動いていくのです。
これが『ミステリと云う勿れ』の第一話の特徴です。
久能整君の冴えたエピソード
久能君は、事件の解決と同時進行っで、担当刑事さんたちの個人的な悩みを次々と解決していき、刑事さんたちの信頼を勝ち得ていきます。
久能君のお悩み相談エピソードを紹介していきます。
- 人は信じたい方を信じる。
- 可愛がっていた娘の父離れが寂しい父。
- 真実は人の数だけあるんですよ。
- ゴミを出しただけで家事を手伝った気になっていませんか?
- 問題なのは あなたが一緒に変わっていないことです。
- 子育ては義務ですか?それとも権利ですか?
人は信じたい方を信じる
久能整君を真犯人に仕立て上げるために、嘘の目撃証言をする人物が現れます。
久能整君が被害者を殺害しているのを見たと言うのです。
- 殺害はしていない。だけど、アリバイが無い久能君。
- 久能君が殺害しているのを見た。と言う目撃者。
『殺害していない。』
『殺害している。』
どちらの発言にも証明できるものが無い状況です。
どちらの意見も証明ができないという意味では、対等なはずですが、
刑事さんたちが目撃者の意見を圧倒的に信じています。
久能君は、疑問を呈します。
「それなのにどうして その人が本当のことを言っていて 僕の方がうそをついているって 思えるんですか」
人はいざという時、信じたい方を信じます。
事実よりも、信じたい方を信じてしまいます。
可愛がっていた娘の、父離れが寂しい父
久能整君は、刑事さん同士の会話から、
ある刑事さんが、子供優先でずっと可愛がって手をかけてきた娘が、父離れをするようになり、落ち込んでいることを知ります。
久能整君は落ち込んでいる刑事さんに話しかけました。
「お父さん 臭いとか 汚いとか 洗濯物一緒に洗うなとか 言い出した?」
「でもそれ 娘さんのせいじゃないですから 生き物としての反応ですから」
娘の父離れというのは、
血縁が近く、遺伝子的に弱い子供を産まない為の本能だから、
これは正しく育っている証拠ですよ。
そしてこれを寂しいと思う刑事さんもまた、きちんと子供と向き合ってきた証拠です。
刑事さんは、久能君の言葉にそっけなく対応しますが、
内心、久能君の言葉を、嬉しく思っていました。
真実は人の数だけある
たとえ話です。
Aさんの証言
「Bさんがしつこく付きまとってきたので、手を振り払ったら、Bさんが転んでけがをした。」
「悪いのはBさん。」
Bさんの証言
「Aさんに話しかけていただけなのに、突然突き飛ばされて、けがをした。」
「悪いのはAさん。」
どちらも嘘を言っているわけではありません。
それぞれの主観で『真実』を話しています。
久能君は言います。
「真実は 人の数だけあるんですよ」
「でも 事実は一つです」
AさんとBさんがぶつかって、Bさんは転んでけがをした。
これが事実です。
刑事さんが、とある過去の事件に囚われているのを知って、久能君が言った言葉でした。
ゴミを出しただけで家事を手伝った気になっていませんか?
妊娠中の奥さんが、最近冷たい。と愚痴をこぼす若い刑事さんの話です。
若い刑事さんは言います。
『ちゃんと手伝っているのに。ゴミ出しとか。』
袋にまとめて置いてあるごみを、ゴミ捨て場に持っていく。
若い刑事さんは奥さんのためにしていると言います。
久能君は言います。
「ゴミを出しただけで家事を手伝った気になっていませんか?」
「ゴミ捨てって 家中のゴミを集めるところから始まるんですよ」
「分別できてなかったらして 袋を取り替えて」
「生ごみも水切って ついでに排水溝の掃除もして」
「ゴミ袋の在庫があるかチェックして」
「そうやって やっと一つにまとめるんですよ」
「そこまでが面倒なんですけど」
問題なのは あなたが一緒に変わっていないことです
赤ちゃんが生まれて、奥さんが変わってしまったと若い刑事さんが嘆きます。
久能整君は言いました。
「子供を産んだら 女性は変わると言いましたね」
「当たり前です。」
「ちょっと目を離したら死んでしまう生きものを育ててるんです」
「問題なのは あなたが一緒に変わっていないことです」
子育ては義務ですか?それとも権利ですか?
メジャーリーガーは、大切な試合の時にでも、子供の大切な行事がある時にはそちらを優先させて、試合を休んだりします。
日本の解説者は言います。
「・・・ああ 奥さんが怖いんでしょうねえ」
「メジャーリーガーは子供の成長に立ち会うことを父親の権利だと思い」
「日本側の解説者達は 義務だと思っている」
「そこには天と地ほどの差があるんですよ」
子育ては義務ですか?それとも権利ですか?
さいごに
私は女性でありながら、久能君の視点に、目からうろこの連続でした。
物事というのは球体で、どの角度から見るかで、見える色が違います。
自分の目で見える景色は、球体のほんの一部の姿でしかないのでしょうね。
別の角度から見るための、きっかけを与えてくれる、
田村由美さんの漫画『ミステリと云う勿れ』、主人公、久能整君の名言でした。
一つの物事でも、できるだけたくさんの角度から見られるようになれば、きっと今よりも生きやすくなるはず♪
これからも、久能君の活躍に期待大!です。