
わが家の次男は自閉症スペクトラム障害で軽度の精神遅延があります。
自閉症は軽度もしくは軽度から中等度と言われています。
(就学前、3月に発達専門の病院を受診した時には、知能が上がってきていて、精神遅延は軽度の上の方になってきていると言われました。)
運動がとても苦手です。
片足ケンケンがほとんどできません。
マラソン大会は3年間ずっと後ろから2番目でした。
首がすわるのが遅く、腰がすわるのが遅く、歩き出したのは1歳9か月の頃でした。
自閉症であることが分かったのは年少の頃です。
それまでは言葉の遅れや運動が苦手なことから『もしかして・・・』と思ったことは何度もあったのですが、
周りの人の、『大丈夫でしょう。』という言葉と、
自分で『大丈夫だ。』と思いたかったこともあり、前に進むことはありませんでした。
自閉症がわかってからは、発達に良さそうだと思うことを、いろいろと試してきました。
自閉症がわかった年少から、小学校1年生になった今までの次男の成長や、発達のためにやってきたことについて書きます。
- 年少の時こども園で発達の指摘を受けた理由
- 発達の指摘を受けてから自閉症とわかるまでの流れ
- 自閉症とわかってからやってきたこと
- ぼんやりとしていることが多かった年少の頃の次男
- 3年間の成長。マイペースだけど、ちゃんと前に進んでいる
- 次男ののびしろ
- さいごに
年少の時こども園で発達の指摘を受けた理由
次男が年少の4月下旬頃、次男をこども園に迎えに行った時に担任の先生から言われました。
- 次男に全体への指示が通らない。
- 次男は周りの子供達に比べて極端に言葉が遅れている。
発達の遅れを指摘されてどう思ったかというと、一瞬の衝撃、だけどすぐに納得しました。
ずっともやもやとしていたことだったから・・・。
私の場合、ずっと、誰かに背中を押してもらいたかったのだと思います。
全体への指示が通らない
全体に出した指示が伝わらないそうです。
次男一人に話しかけて、『次、こうしようね。』と言えば伝わるそうです。
集団行動が難しいと言われました。
周りの子供達に比べて極端に言葉が遅れている
同じ学年の子供達はもちろんのこと、同じくらいの月齢の子供たちと比べても、極端に言葉が遅れているそうです。
次男には5学年離れた兄がいますが、長男が次男と同じ年頃のことを、細かくは覚えていませんでした。
長男は4月生まれ、次男は早生まれなので、さらに比べるのは難しいという思いもありました。
ですが、
担任の先生から言葉が遅れていると言われて、『ああ、やっぱり。』と感じました。
思い当たる部分は多々ありました。
次男は言葉の貯金が苦手でした。
新しい言葉を覚えてもしばらく経過すると使わなくなってしまいます。
言葉が流れるように去っていき、増えていかないのです。
言葉の貯金箱は、成長に従って少しずつ大きくなっているような気がしていましたが、溢れて消え去ってしまう言葉の量の方が圧倒的に多いような気がしていました。
発達の指摘を受けてから自閉症とわかるまでの流れ
初めて発達の指摘を受けてから、病院で自閉症と診断されるまでの流れを書きます。
- 担任の先生から発達の指摘を受ける
- 発達相談の予約をする
- 発達相談
- 発達検査
- 発達専門の病院で診断を受ける
いざ動く決断をしても、検査や相談や診察の予約をすぐに取れるわけではありませんでした。
できるだけ迅速に動いたつもりでしたが、こども園の先生に発達の指摘を受けてから、発達専門の病院の先生から自閉症の診断を受けるまでに、4ヶ月程度かかりました。
担任の先生から発達の指摘を受ける
次男のお迎えに行った時に、こども園の入り口のところで担任の先生に呼び止められて言われました。
周りを人が行き来していて、こういったところで何気なく話されるのだなと、少し驚きました。
発達が遅れているという話は言いにくい話だっただろうと思いますが、はっきりと言ってくれて良かったなと思っています。
「今までたくさんの同年代の子供たちを見てきた上で、個性の範囲ではなく、遅れていると思いますか?」
と、私は聞きました。
先生は、
「はい。」
と、言いました。
発達相談
発達相談の予約をして、相談に行きました。
臨床心理士の先生が話を聞いてくれます。
次男本人と母である私が行きました。
話しをした上で、
発達検査を受けるか、もう少し先に再び発達相談の予約をしてそれまで様子を見るか、2つの選択肢を提案されました。
私はすぐに発達検査を受ける方を選びました。
発達検査
予約をして、発達相談とは別の日に、発達検査を受けました。
発達検査後、苦手分野を育てるように接しながら様子を見るか、発達専門の病院を受診するか2つの選択肢を提案されました。
私はすぐに発達専門の病院を受診することを決めました。
様子なら、今まで充分見てきましたから。
発達専門の病院の予約は、3ヶ月以上先に取ることができました。
発達専門の病院で診断を受ける
病院で30分くらい診察を受けて、自閉症スペクトラムと軽度の精神遅延との診断を受けました。
自閉症とわかり、ショックな気持ちと、『やっぱり。』という気持ちが入り混じりました。
これで迷うことなく前に進めると安堵した部分もありました。
自閉症とわかってからやってきたこと
自閉症であることがわかってから、始めたことについて書きます。
- 町の療育に通う
- 運動の個別指導がある私立の療育に通う
- ST(言語療法)を受ける
- たくさん歩く
- トランポリンで体幹を鍛える
- ペダル無し自転車で体幹を鍛える
- 口を大きく動かしてゆっくりと話すようにする
次男が楽しんでくれていることを続けています。
町の療育は年長の3月で期間満了となりました。
STは小学校の長期休暇を利用してもうしばらく続けることになりました。
町の療育に通う
定員がいっぱいだと待ちが発生したりすることもあるらしいのですが、運よく空きがあり、すぐに町の療育に通えることになりました。
5人クラスに2人の先生がついていました。
町の療育では、運動の時間と勉強の時間がありました。
園での生活を支えるような内容になっていたと思います。
入った頃は自分で靴下を履くことができなくて、自分で靴下を履けるようになること、トイレの自立等が目標だったと思います。
後に運営が変わって、体を動かすのがメインの療育となりました。
運動の個別指導がある私立の療育に通う
町の療育からは1年くらい遅れて通い始めました。
運動の個別指導と、週末に集団で過ごす週末デイに通いました。
個別指導の先生がかなりのベテランの先生で、発達に関するたくさんのことを教えてもらえました。
途中で手先を器用にするための時間も始まりました。
ST(言語療法)を受ける
言葉の発達が遅れていたことと、言葉の活舌が悪かったので、耳鼻科を受診しました。
耳鼻科で聴覚の検査をして、『低い音への反応が悪い』ことがわかり、再検査となりました。
検査は合計で3回行いましたが、最終的には問題がなかったことが分かりました。
言葉が遅れる原因の一つに、耳のトラブルが隠れていることがあるので、聴覚検査を受けたのでした。
耳鼻科の先生の推薦で、STを受けることになりました。
言語聴覚士の方の検査の結果、次男の場合、発音できない音があるのではなく、発音する機能がまだ未熟であることから発音が不明瞭であることが分かりました。
OT(作業療法)7:3 ST(言語療法)の割合で訓練をすることになりました。
内容は体を動かしながらとても楽しいもので、次男はいつも帰るのを惜しんでいました。
トランポリンで体幹を鍛える
同じく自閉症があるお友達の家に遊びに行った時に、家にトランポリンが置いてありました。
発達にプラスになるそうで、わが家でも購入することにしました。
トランポリンで遊ぶようになってから、
自分の足で歩いてくれることが増えて、交互に足を出して階段を上り下りできるようになり、活発になりました。
たくさん歩く
ブームの様なもので歩いたのは一時的でしたが、こども園に行く時に歩いて通っていた時期がありました。
次男が『歩いていきたい♪』と言ったからです。
次男を連れて歩くと片道20分くらいでした。
途中、白い車探しをしたり、花の色の話をしたり、楽しい道のりでした。
こども園につくころにはすっかり体が温まっていて、手を繋いで楽しみながら歩くので次男の機嫌も上々でした。
この頃、こども園の先生からは、次男の集中力が以前よりも続くようになったのと、意欲的に物事に取り組むことが増えたという話を聞きました。
次男の奇声に悩まされていた時期でもありましたが、次第におさまっていきました。
ペダル無し自転車で体幹を鍛える
歩いてこども園に登園するブームが過ぎ去った後でしたが、今度はペダル無し自転車にまたがってこども園に登園するブームがやってきました。
ペダル無し自転車は体幹を鍛えて、補助輪なしの自転車への移行をスムーズにしてくれるそうです。
毎日のようにペダル無し自転車にまたがり登園していたら、どんどん上達して、追いかけるのが大変なほどすいすい進めるようになりました。
ペダル無し自転車で登園するのは朝だけで、私がペダル無し自転車を持って帰り、
帰りは車で迎えに行っていました。
私自身もいい運動になりました。
口を大きく動かしてゆっくりと話すようにする
言葉の発達がゆっくりな次男のために、口を大きく動かして、ゆっくりとはっきりと話すようにこころがけました。
言葉が伝わっていないなと感じたら、いろいろな表現に変えて話してみました。
最近では早口でも伝わることが多いので、つい早口で話してしまうこともありますが、まだ発音が不明瞭なところが多い次男のために、ゆっくりとはっきりと話す習慣をまだまだ続けた方がいいなと感じています。
ぼんやりとしていることが多かった年少の頃の次男
- ぼんやりとしていて、動作がゆっくり。
- 何かするために移動をするたびに動きが止まって何か別のものに見とれてしまう。
- 少しの動作にものすごく時間がかかってしまう。
- ふわふわとしていて反応が薄い。
- 自分の名前を言うことができない。
- 自分の年齢がわからない。
- 自分の性別がわからない。
- 歩く速度が遅く、次男が階段を移動していると、たびたび後ろが詰まる。
- オムツが取れない。
- 固有名詞が出てこない。
- 自分で着替えを完了することができない。
こども園での生活は大変だったことだろうと思います。
次男が自閉症であると分かり加配の先生をお願いしてからは、次男がこども園で不安そうにしていることが減ったそうです。
3年間の成長。マイペースだけど、ちゃんと前に進んでいる
ぼんやりとしていた次男ですが、年長も終盤になった頃、できるようになったことがたくさん増えました。
- 声を張って話すようになった。
- 友達の名前を言うようになった。
- こども園での出来事を少し話してくれるようになった。
- 嫌なことややりたいことをはっきりと主張するようになった。
- 足が速くなった(次男基準で)。
- 仲のいい友達ができた。
- 今日の予定、次の日の予定を聞いてくるようになった。
- 「お腹が痛い。(本当は痛くないけれど。)」と言って嫌なことを回避しようとするようになった。
- トイレの自立。
- 自分で着替えができるようになった。
- 自分で体と頭を洗って入浴ができるようになった。
- 苦い薬も病気を治すために頑張って飲めるようになった。
- 自分の名前と年齢と性別を言えるようになった。(誕生日が来たらちゃんと数字が増える。)
- ひらがなを読めるようになった。
他にもいろいろあるとは思いますが、とりあえず今思いついただけ書いてみました♪
次男ののびしろ
まだまだ苦手なことはたくさんあります。
ひと一倍運動が苦手なことと、言葉が不明瞭な部分があることです。
難しい質問にはこたえられないこともあります。
こたえるのが難しいと、「わからない。」と言っています。
ふざけてはいけないところでふざけて、怒られることもあるようです。
何度も注意されているうちに少し改善してきました。
注意する時は伝え方をできるだけ噛み砕かないと難しいようです。
(のちのち、発達専門の病院の先生から、『自信がなかったり不安だったりするとふざけてできないことをごまかしてしまうことがあるから、注意するよりも、原因を探して一緒に解決してあげた方が問題が解消するのが早くなります。』と、教えてもらいました。)
筆圧が弱く、字を書くこと自体も苦手なようです。
まだまだ不安なこともありますが、元気いっぱい自己主張をし、楽しそうにしているから良かったなあと思います。
なにより、仲のいい友達が複数人できて、子犬がじゃれるようにもつれて遊んでいる姿を見ると嬉しいし、次男の成長を感じます。
さいごに
こども園に入園して、4月の終わりに発達の遅れを担任の先生に指摘されたのをきっかけに、自閉症と軽度の精神遅延があることがわかりました。
わかったおかげでたくさんのことを始めることができました。
ぼんやりとしていることが多かった次男が、活発でやんちゃになってきました。
いろいろと積み重ねてきましたが、次男自身がよく頑張ったし、周りの人たちの働きかけのおかげだなとありがたく思っています。
次男は小学校で支援級に進みます。
国語と算数は個別指導です。
加配の先生が付きます。
仲のいい友達が同じ小学校に進みました。
小学校でも一緒に遊んでいるようです。
1年間だけですが、小学校6年生のお兄ちゃんと一緒に小学校に通うことができるので、安心しています。
今のところ楽しそうに小学校に通っています。
兄弟で手を繋いで登校しています。
これからもいろいろと変化があり、次男は向き合っていくのでしょうけれど、まずは今に感謝したいです。